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【丸わかり】新区分・訪問看護管理療養費1と2の違いや届出のポイントを徹底解説|2024改定版

【丸わかり】新区分・訪問看護管理療養費1と2の違いや届出のポイントを徹底解説|2024改定版

公開:

2024年10月23日

更新:

2024年10月24日

「訪問看護管理療養費1と2、どちらを選べばいいの?」
「うちの小規模ステーションでも算定できる?」
「結局のところ、届出は必要なの?」

2024年度の診療報酬改定で訪問看護管理療養費に新たな区分が設けられ、このような戸惑いを感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、以下の内容をわかりやすく説明します。

  • 2024年度の訪問看護管理療養費の改定内容
  • 自事業所がどちらの区分を算定できるかの判断方法
  • 管理療養費1と2の違いや施設基準
  • 届出に必要な要件と手続き
  • 訪問看護管理療養費1を算定するための具体的な取り組み

 

訪問看護ステーションの安定経営のために、ぜひ最後までお読みください。新制度を正しく理解し、適切な対応で、質の高いサービス提供と経営の両立を実現しましょう!

 

≫参考記事:【保存版】訪問看護で医療保険が使える条件は?介護保険との違いを徹底解説!

目次

訪問看護管理療養費の2024年度改定内容

訪問看護管理療養費の2024年度改定内容


2024年度の診療報酬改定で、訪問看護管理療養費に大きな変更がありました。この改定の狙いは何なのでしょうか?また、どのような点に注意すべきなのでしょうか?ここでは、改定の概要をわかりやすく説明します。

【改定の主な目的】

・感染管理の強化
・訪問看護療養費明細書のオンライン請求及び領収証兼明細書の発行を推進
・実績に応じた評価体系に見直し

【改定の主なポイント】

1. 月の初日の訪問看護管理療養費

  • 報酬のアップ
  • 機能強化型訪問看護管理療養費1において専門研修を受けた看護師の配置義務化


2. 月の2回目以降の訪問看護管理療養費

  • 訪問看護管理療養費1と2の新設
  • 実績に応じた評価体系への見直し
  • 算定費の変更: 同一建物居住者の割合が高い場合や重度者対応割合が低い場合に、従来の1日3,000円から1日2,500円に引き下げ
  • 全ての事業所に1か2の届出が必要


これらの改定を受け、訪問看護ステーションには次のような対応が求められています。

・感染管理体制の見直し
・デジタル化への対応(オンライン請求やDX化)
・専門研修を受けた看護師の確保
・医療ニーズの高い利用者への質の高い看護



そもそも訪問看護療養費とは?|定義と算定要件

訪問看護療養費


訪問管理療養費について詳しく見ていきます。

訪問看護管理療養費およびその加算一覧



まずは、訪問看護管理療養費およびその加算の一覧を見てみましょう。

項目区分金額備考
訪問看護管理療養費
1. 月の初日の訪問日機能強化型113,230円/月
機能強化型210,030円/月
機能強化型38,700円/月
機能強化型以外7,670円/月
2. 2日目以降(1日につき)訪問看護管理療養費13,000円
訪問看護管理療養費22,500円
訪問看護管理療養費の加算
24時間対応体制加算24時間対応の負担軽減の取り組みあり6,800円/月
24時間対応の負担軽減の取り組みなし6,520円/月
特別管理加算重症度高い5,000円/月 
その他2,500円/月 
退院時共同指導加算

さらに特別管理指導加算
 8,000円/回

2,000円/月
1回、基準告示第2の1に規定する疾病等の利用者は2回
特別管理加算の対象
退院支援指導加算(退院日)長時間にわたる療養上の指導を行った場合6,000円
8,400円

在宅患者連携指導加算 3,000円/月 
在宅患者緊急時等カンファレンス加算 2,000円/回月2回まで
看護・介護職員連携強化加算 2,500円/月 
専門管理加算 2,500円/月 
訪問看護医療DX情報活用加算 50円/月



訪問看護管理療養費の算定要件



主な算定要件は以下の2点です。

  1. 安全な提供体制の整備
  2. 主治医との連携確保や休日・祝日も含めた計画的な管理の継続


+安全な提供体制とは

「安全な提供体制」とは、以下の要件を満たしていることを指します。

  • 安全管理に関する基本的な考え方、事故発生時の対応方法等が文書化されている
  • 訪問先等で発生した事故、インシデント等が報告され、その 分析を通した改善策が実施される体制が整備されている
  • 日常生活の自立度が低い利用者につき、褥瘡に関する危険因子の評価を行う
    また、褥瘡に関する危険因子のある利用者およびすでに褥瘡を有する利用者については、適切な褥 瘡対策の看護計画を作成し、実施と評価を行う
    なお、褥瘡 アセスメントの記録については「褥瘡対策に関する看護計画書」を踏まえて記録する
  • 毎年8月において褥瘡を有する利用者数について地方厚生 (支)局長へ報告を行う
  • (新)災害等が発生した場合においても、指定訪問看護の提供を中断させない、又は中断しても可能な限り短い期間で復旧させ、利用者に対 する指定訪問看護の提供を継続的に実施できるよう業務継続計画を策定し必要な措置を講じる


主な留意点8つ



訪問看護管理療養費を算定するためには以下に留意する必要があります。


項目内容
1. 電子的方法による提出厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」の遵守
安全な通信環境の確保
適切な電子署名の使用
2. 訪問看護療養費に含まれる項目営業時間内の電話連絡
療養に関する相談
他事業所との連絡調整
3. 記録の管理訪問看護報告書の写しを記録書に添付
4. 多職種連携理学療法士等が訪問する場合、計画書・報告書は一体的に作成
看護職員による定期的な評価の実施
5. 複数事業所の連携目標設定、計画立案、実施状況、評価の共有
6. 施設内訪問看護既存サービスとの区別を明確に
7. 地域連携市区町村、保健所、精神保健福祉センターとの連携
8. 衛生材料の管理適切な使用の確認と主治医への報告



算定区分



算定区分は、「月の初日」と「月の2日目以降」の2つに分かれます。

月の初日 


機能強化型訪問看護療養費1〜3とそれ以外の場合の4つに分類されます。

【機能強化型の区分と報酬】

区分報酬額主な特徴
機能強化型113,230円ターミナルケアの実施や、重症児の受け入れ等を積極的に行う手厚い体制
機能強化型210,030円機能強化型1に準じた体制
機能強化型38,700円地域の訪問看護の人材育成等の役割を評価
それ以外7,670円 


機能強化型ステーションの算定要件は以下の画像を参考にしてください。




月の2日目以降 


多様な利用者ニーズへの対応と質の高いケア実施を目的に、新区分が設けられました。

【新設された区分と報酬】

区分報酬額同一建物居住者重症者
(新)訪問看護管理療養費13,000円
(新)訪問看護管理療養費22,500円


≫訪問看護管理療養費の各加算についてはこちら:「【一覧表あり】医療保険による訪問看護の加算総まとめ|2024年診療報酬改定対応」


月の2日目以降の訪問看護管理療養費1と2について

訪問看護管理療養費


2024年度の改定で新設された訪問看護管理療養費1と2。この新区分は、多くのステーションにとって大きな関心事でしょう。ここでは、その違いと算定基準について詳しく見ていきます。


訪問看護管理療養費1と2の違い



両者の主な違いは、主に重症者の数です。

区分報酬額同一建物居住者重症者
訪問看護管理療養費13,000円/日7割未満多い
訪問看護管理療養費22,500円/日7割以上
7割未満
少ない
少ない



訪問看護管理療養費1の施設基準



訪問看護管理療養費1を算定するには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

 同一建物居住者の割合が7割未満で、かつ次のアまたはイに該当する。

   ア.:特掲診療料の施設基準等別表第七・八に掲げる疾病等の利用者が4人以上(厚生労働大臣が定める地域では月に2人以上)

   イ.:精神科訪問看護基本療養費を算定する利用者のうち、GAF尺度による判定が40以下の利用者が5人以上


※「厚生労働大臣が定める地域」とは、離島、山村区域、過疎地域、奄美群島、小笠原諸島などを指します。これらの地域では、より緩和された基準が適用されるのです。


「相当な実績」の具体的基準


アまたはイの重症者数の変動による変更届の要不要について、「暦月で3月を超えない期間の1人以内の変動の場合は、変更届を要しない」と定められています。

これは、短期的な利用者数の小さな変動に対して、頻繁な届出変更を避けるためのものです。

例えば、基準が4人の場合以下のようになります。

  • 4人→3人→3人→4人の変動:変更届不要
  • 4人→3人→3人→3人の変動:変更届必要
  • 4人→3人→2人の変動:変更届必要


この規定により、一時的な変動に柔軟に対応できる一方で、長期的な傾向変化には適切に対処することが求められます

訪問看護管理療養費2の施設基準



訪問看護管理療養費2は、以下の条件を満たす場合に算定できます。

・利用者のうち、同一建物居住者が占める割合が7割以上であること
・または7割未満であっても、訪問看護管理療養費1の条件(アまたはイ)のいずれにも該当しないこと


この新しい区分により、訪問看護ステーションの運営実態がより正確に反映され、適切なサービス提供が評価されることが期待されています。各ステーションは自身の状況を適切に評価し、該当する区分での届出を行うことが重要です。

 

管理療養費1・2の算定には届出直しが必要‼

管理療養費1・2の算定には届出直しが必要‼


2024年度の改定に伴い、多くのステーションで届出の見直しが必要となります。2024年度の改定に伴う届出期限は既に過ぎていますが、ここでは重要なポイントを押さえておきましょう。

令和6年9月30日まで経過措置だった「訪問看護管理療養費1」の取り扱いが変更されました。令和6年10月1日以降も算定を続ける場合、または「訪問看護療養費2」に変更する場合、いずれも新たな届出が必要です。


主な期限は以下の通り既に経過しています。
・訪問看護管理療養費1:令和6年10月15日(火)まで
・訪問看護管理療養費2:令和6年10月1日(火)まで


まだ届出を行っていない場合や不明点がある場合は、直ちにお住まいの地方厚生局に相談することをお勧めします。


≫届出書類ダウンロード:厚生労働省「訪問看護管理療養費に係る届出書」(Word)

(出典:「令和6年9月30日に経過措置の期限が到来する基準「訪問看護管理療養費1」に係る届出について(訪問看護ステーション)」


機能強化型訪問看護管理療養費1の経過措置


令和6年3月31日時点で機能強化型訪問看護管理療養費1に係る届出を行っているステーションには、令和8年5月31日までの経過措置が設けられています。この期間中は、専門の研修を受けた看護師の配置に係る要件に該当するものとみなされます。

この経過措置期間は、必要な体制整備を進める貴重な機会です。計画的に準備を進め、期限内に要件を満たせるよう努めましょう。

 

訪問看護管理療養費1を算定するためにできること

訪問看護管理療養費1を算定するためにできること


小規模ステーションにとって、訪問看護管理療養費1の算定は経営の安定化につながる鍵となります。ここでは、実現可能な取り組みから段階的に進めていくための方策を探ります。

まずは、別表第七・八に掲げる疾病等を理解し、それらの患者に対応できる体制を整えていきましょう。以下に具体的な取り組みを挙げてみましょう。

1. スタッフ教育:重症患者のケアに関する研修を定期的に実施

2. 医療機関との連携強化:退院調整部門との連絡や退院時カンファレンスへの参加

3. 受け入れ可能な患者の明確化:ステーション内での基準作成

4. 地域の介護サービス事業者との連携:ケアマネージャーとの関係強化

5. 広報活動:ステーションの専門性や受け入れ可能な患者像の周知


これらの取り組みを一つずつ、無理のないペースで実施していくことが大切です。同時に、精神科訪問看護の強化や同一建物居住者の割合の管理にも注意を払いましょう。

短期間での劇的な変化は難しいかもしれません。しかし、日々の小さな努力の積み重ねが、最終的には訪問看護管理療養費1の算定につながります。焦らず、着実に取り組んでいくことが成功への近道となるでしょう。

≫関連記事:「【選ばれる秘訣】訪問看護の営業で利用者を増やす!依頼が途切れないコツを徹底解説」


まとめ

まとめ


2024年度の診療報酬改定で、訪問看護管理療養費に新区分が設けられ、実績に応じた評価体系が導入されました。
この改定により、同一建物居住者の割合や重症者への対応状況が、直接的に報酬に影響を与えることになりました。各ステーションは、自身の特性を見極め、適切な区分を選択し届け出る必要があります。

特に小規模ステーションにとっては、訪問看護管理療養費1の算定を目指すことが経営の安定化につながる重要な鍵となるでしょう。しかし、これは一朝一夕には達成できません。スタッフ教育の充実、医療機関との連携強化、受け入れ可能な患者の明確化など、地道な取り組みの積み重ねが必要です。

この改定を単なる制度変更と捉えるのではなく、サービスの質を向上させ、経営基盤を強化する絶好の機会と捉えましょう。日々の努力が、やがて大きな成果となって実を結ぶはずです。

この記事が、皆さまのステーション運営の一助となれば幸いです。最後まで読んでくださりありがとうございました。

 


 



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最後までご覧くださりありがとうございました。

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