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GAF尺度って⁇精神科訪問看護に必要なGAF評価方法についてわかりやすく解説します。

GAF尺度って⁇精神科訪問看護に必要なGAF評価方法についてわかりやすく解説します。

公開:

2024年2月13日

更新:

2024年6月14日

目次

「GAF尺度って何?」
「実際のGAF点数の付け方に迷ってしまう…」

精神科訪問看護の算定に必要なGAF評価。
目に見えない精神障害の評価はなかなか難しいと感じる方もおられるのではないでしょうか?

今回は、GAF評価について、評価表を用いた評価の仕方や、事例を用いた点数の付け方を紹介します。
GAFについて不安がある方は、ぜひ最後まで読んで現場で活用してください。

GAFとは、Global Assessment of Functioningの略で、日本語では「機能の全体的評定尺度」と訳されます。
読み方は「ギャフ」や「ガフ」です。

成人の社会的・職業的・心理的機能を評価するのに用いられている数値スケールで、1点〜100点で評価します。
点数が高いほど、精神面での健康状態が良いことを示します。

高血圧や糖尿病では、重症度のモニタリングには一般的に血圧やHbA1cなどといった臨床検査値を指標とするのが一般的です。
ところが精神疾患の重症度を反映するような臨床検査は存在しません。
そのため精神疾患では、患者の重症度を数値化する「評価尺度」と呼ばれるものが用いられてきました。
その中の1つにGAFがあり、精神疾患に対する治療の計画を立て、治療の効果を評価し、また転帰を予測するなどの目的で活用されます。

精神科訪問看護において令和2年の診療報酬の改定で、「適切かつ効果的な訪問看護の提供を推進する観点から、利用者の状態把握等を行うことが可能となるよう」GAF尺度による評価の要件化がなされました。

精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ)および(Ⅲ)を算定する際に、その月の初回訪問時のGAF尺度の評点(スコア)を訪問看護記録書、訪問看護報告書、および訪問看護療養費明細書に記載することが要件化されています。

出典:令和2年度診療報酬改定の概要

GAF評価表



GAF尺度は、10点ごと×10の機能範囲に分類されています。

10点ごとの各範囲の基準は次の2つの部分からなっています。
症状の重症度に関するもの(評価表のピンク部分)
機能に関するもの(評価表の緑部分)

GAF評価表は以下の通りです。


GAF評価の仕方の4つのポイント


1.心理的社会的、および職業的機能のみについて点数がつけられます。

2.身体的または環境的制約による機能の障害は含めません。

3.症状の重症度または機能レベルのどちらかの悪い方がその範囲の10点の中で当てはまる点数です。

4.機能の毎日の変動を考慮するために、現在のGAF評価は過去1週間の機能の最低レベルと定義されます。

GAF評価の点数の付け方



対象者の1週間の様子で最も精神状態が良くなかったエピソードに対し、「その人の症状の重症度または機能レベルのどちらかが、その範囲の記述に示されているよりも悪くないか?」と問うことで、各範囲の評価を行います。

  1. 範囲を決める

その人の症状の重症度または機能レベルのどちらか悪い方に最もよく適合する範囲に到達するまで、尺度を表の100-91の段階から下へ移動していきます。

  1. 範囲を再確認する

不十分なスコアでないことを再確認するために、すぐ下の範囲を見ます。すぐ下の範囲が、その人の症状の重症度及び機能レベルのどちらよりも重くなっていれば、評価は適切な範囲に到達しています。

  1. 1の位を決める

選択された範囲の中で、1の位のGAFスコアを決めるために、その人がその10点の範囲の最も高い方、または最も低い方で機能しているかを考えます。

以下の事例で点数を付けてみましょう。

長期間の統合失調症。幻聴はあるものの行動はその影響を受けていない。幻聴は病気の一部だと受容している。仕事には概ね行けている。仲間はおらず情動は平坦的。

  • 範囲
    重症度が40-31。機能レベルは60-51。範囲は悪い方の40-31となります。
  • 1の位
    →幻聴が週1回以下と比較的頻繁でなければ39か40の得点が適切です。
    →幻聴がほとんど持続的に声が聞こえるならば、31か32の得点が適切です。


入院する必要のある患者は、GAFスコア1から30に評価されることが多いです。

入院するには及ばないが、外来に通院する必要がある患者は、概ねGAFスコア31から70に評価されることが多いです。


今回は、精神科訪問看護に必要なGAF評価について解説しました。

精神科訪問看護の記録や報告書、療養費の明細書等に記載しなければならないGAF尺度。評価することで、利用者の状態の変化や重症度を客観的にアセスメントし、計画作成やケアに活かすことができます。

始めのうちは点数の付け方に悩むこともあると思います。実践を積むうちに慣れてきますので、ぜひこの記事を参考にしてGAF評価についての理解を深めて下さい。




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最後まで読んでくださってありがとうございました。

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